2022.05.09
足元のミニマリズムを追求するVEJAから
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その他
いずれ靴が履けなくなっても
いつか大人になったとき
たまにこの箱を開けてほしい
『てのひらワークス』から届いた出来立ての子ども靴は、
ちいさな鳥のヒナのようでした。
— 自分で言うのもなんですが、
世界でいちばん過保護な子ども靴だと思います(笑) —
いずれこの靴を履けなくなる日が来ても
その足で歩いたことを、身体で覚えていてほしい。
靴箱には大切なものを詰め込んで
いつか大人になったとき
たまにこの箱を開けてほしい。
この箱も、きっと、世界でいちばん過保護な「靴箱」だろう。
この秋より、ザ ナチュラルシューストア神宮前店でご案内をはじめた『てのひらワークス』の子ども靴は、専用のオリジナル靴箱にお入れしてお渡しをしています。
一足の靴を収める箱にしては大変丈夫で、手間を尽くして作られた、少し特別な靴箱です。
製作するのは、東京は深川の下町に工房を構える「株式会社 マエダ特殊印刷」の前田努さんと、奥様の髙岩千容さん。隅田川の東側に位置する門前仲町で、家族経営で60年以上にわたって「凸版印刷による粘着紙(シール)」を製造する、3代目のご夫婦です。お二人は、長年『てのひらワークス』を履き続ける靴の愛用者でもあります。
今回の靴箱作りにあたっては、シール印刷のみならず、『てのひらワークス』との協同作業により箱全体のデザインを手掛けられました。
箱に添える一枚の葉は、千容さんの繊細な手によって描かれた。
<凸版印刷による粘着紙ができるまで>
1.デザインを決め(文字・絵柄、サイズ、インクの色等)
2.複数の粘着紙の中から、粘着強度や手触り、質感などを選びます。
3.1.のデザインを元に「版」を製作。版を使って凸版印刷を行います。
4.インクを調合して理想の色のインクを作り
5.粘着紙専用の凸版印刷機に版を設置。
6.練り込んだインクを塗布しながら
7.ロール状の粘着紙を回転させ、版を押し当てていきます。
8.UV照射によってインクを乾燥させたら
9.専用の抜き型でシールの形に抜き、最後に台紙ごと裁断をして完成です。
「異なる版を、二重三重と重ねて印刷していくこともできるのが凸版印刷の醍醐味です。注文を受けて一度製作した版は繰り返して使用できます。祖父の代から製作してきた数々の版や型を、調合したインクの色見本と併せて受け継いでいます。」
今回生まれた『てのひらワークス』の版は
歴代の数多のそれらと並び
これからもマエダ特殊印刷の工房の引き出しに保管されます。
この靴箱を受け取った子どもたちが
大人になって、再び蓋を開けるまで。
その形跡は、次の世代にも継がれていきます。
内蓋に貼られるシールには、一層目にオリジナルの3つのシューベースを印刷。
靴の種類毎に、シューペースに併せて靴の形を
別色(藍色)で重ねるデザインは凸版印刷ならでは。
株式会社 マエダ特殊印刷
www.seal-maetoku.com/
*『てのひらワークス』による子ども靴のご案内は、こちらをご覧ください。
www.thenaturalshoestore.jp/collection/post-11381/