2022.12.01
「一歩先への旅」_自由さを
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その他
一瞬としてとどまることなく
流れゆく色のない水は
どこから来て
どこへ行こうとしているのだろう?
夏の名残りをはらんだ日差しをじりじりと肌に受けながら、山へ向けてゆくといつの間にか川のせせらぎに包まれていた。ひんやりした空気を感じて思わず目を閉じ、胸いっぱいに深呼吸する。
秋の匂いだ。
苔むした岩場をすべらないように慎重に踏みしめながら、川の流れに逆って歩くと、生命力あふれる森も色濃くなって、辺りの空気が深い緑色に染まっていくような錯覚に陥る。
流れゆく透き通った水に自分を重ねて、無為に過ごしてしまった日々を反省してみたり、哲学めいたことを考えてみたりしようとするけれど、そうした思考もすぐにかき消された。
流されるままというのではない、流れのままに生きているのだから、「なにも反省することはない」と独り言を呟くと、前を歩くパートナーが不思議そうな顔をして振り返った。
Information
三波渓谷
* 〒355-0357埼玉県比企郡ときがわ町別所
* 有料駐車場有り
埼玉県ときがわ町HP>>> https://www.town.tokigawa.lg.jp/info/52
三波渓谷(さんばけいこく)は、都幾川の上流域に長い歳月を経てつくり出されたダイナミックで美しい渓谷が広がる景勝地。透明度の高い水が流れる河原は、御荷鉾緑色岩(みかぶりょくしょくがん)と呼ばれる緑色の岩石からできているのが特徴で、生い茂る森の木々ともに河原の景色をより深い緑に染めています。三波渓谷の名前の由来は、群馬県藤岡市(旧鬼石町)に流れる三波川付近を産地とする緑色の庭石「三波石」に似ているからなのだとか。渓谷のほとりにある日帰り温泉施設「都幾川四季彩館」のまわりには渓谷の景観を楽しむことができる散策路やバーベキュー広場が整備され、癒しの空間が生まれています。夏はマイナスイオンあふれる新緑と川のせせらぎを、深まる秋には美しい紅葉を楽しめるスポットです。
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撮影協力:都幾川四季彩館 / キャンプ民泊 NONIWA