2022.12.01
「一歩先への旅」_自由さを
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その他
ともに歩む、その一歩先へ
街の風景が
少しずつ色づきはじめる頃
足裏で新しい靴の肌ざわりを感じた
装いがふわりと軽くなるように
心も晴れやかに
あらたしい季節を見つけに
一歩を踏み出そう
陽の光がやわらかく春の気配を感じながらいつもより早めに目覚めた休日、潮騒を聴きたくなってふたりで海辺をめざした。穏やかな湾をのぞむ、まだひと気のない砂浜には足跡ひとつない。
澄みわたる空を映した深い藍色の海面に浮かぶように、すっと真っ直ぐに伸びる木づくりの桟橋には、手すりも何もなく少し頼りなさそうな様子でありながら、妙に心惹かれるものを感じた。左右から打ち寄せる波をよけながら思いきって先端まで歩いてみる。
足元ばかりに気を取られて下向き加減だった顔を上げると、海の向こうに富士山が見えた。まるで船の舳先にでも立っているかのような気持ちで潮風のなか目を閉じてみる。すると、この桟橋からたくさんの小さな船が発着する光景が脳裏に浮かび、過ぎ去った時間へしばし想いを馳せた。
何気ないショートトリップとはいえ、小さな荷物を降ろしたように心が軽くなって、一気に春の真ん中に足を踏み入れたように感じた。
Information
岡本桟橋(原岡桟橋)
* 〒299-2403 千葉県南房総市富浦町原岡地先
* 駐車場有り
南房総市HP>>> https://www.mboso-etoko.jp/
目の前に豊かな漁場が広がる富浦湾。岡本桟橋は、そんな富浦湾沿いにある原岡海岸から海にすっと伸びる桟橋です。晴れた日には東京湾の向こうに富士山を望め、夕暮れどきには美しい茜色に包まれる美観スポット。全国でも数少ない木製の桟橋で、夜は裸電球が灯りノスタルジックな光景が広がります。大正時代の地図には停船場の記号が記されており、元々は漁港施設だったことが伺えます。のんびり潮風を感じたり、裸足で砂浜を歩いたり、ただ散策するだけでも心癒されるスポットです。
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撮影協力:南房総市