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BENの夏

2021.09.02

1年遅れでオリンピックが東京にやってきた2021年の夏。


辿々しくスタートしたオリンピックを横目に、

わたしは
同じ東京の片隅で起きていた
ある少年と大人たちの交流をそっと見守っていました。


ことの始まりは6月のある日、
偶然目にしたネットニュースのひとつの記事でした。


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東京大田区のとある町工場に
「小学生の息子が御社を見学したいと言ってまして」という、少年の母親からの1本の電話が。

ちびっこ工場見学かな、と思って話を聞くと、

「息子が人工心臓に興味があって
HPの写真を見てこれサック型だ、と
「三尖弁・僧帽弁の試作品と開発経緯を

それを聞いた社員たちは『こりゃ本気の子だ!』と戦々恐々とし、
職人気質の社長は『ほ〜んやるじゃん』とニヤニヤ。

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というような内容のもの。

どうやらその町工場は、技術力の高さを買われ大学の人工心臓装置の開発プロジェクトにも携わってきた会社であり、少年はそこに強い関心を抱いたようでした。


『そんな子ボクらだって会いたいに決まってます』

そう言い切る町工場の人のことばに、
この少年の工場見学はいったいどんなものになるんだろうと、俄然興味が湧いてしまったのです。



そこから、
とある町工場、こと「Y工機」さんが
Twitterで報告してくれる経緯を見守る日々がはじまりました。



6月、はじめの電話のすぐあとから、
少年は親しみを込めてBENと呼ばれます。

(人工心臓や弁が好きだということから、Y工機の社長が名付けた仮名)


BENはあれを好きだろうか。
BENはそれをおもしろがってくれるだろうか。
たくさんの大人たちがまだ見ぬBENとの遭遇を心待ちにする様子が、むしろ、かえって少年のようです。



さて、結果を言うと。



Y工機」さん、
そして少年とその家族、

果ては人工心臓の研究者や工学博士、
関連するモノづくりの職人さんたちなどを巻き込んだ

壮大な、
でもすてきに愉快な工場見学は

無事成し遂げられたようでした!


そしてつい先日、829日。

Y工機さんによるBEN一家の2日間にわたる工場見学の報告を読みながら、わたしは
1冊のものがたりを読み終えてしまうような
安堵と寂しさを感じて胸がいっぱいになりました。



頭のなかで

リアル
よりリアリティ

リアル
よりリアリティ

と懐かしい歌が流れはじめたほど。



BENと町工場のものがたりはこれが始まりであり、
これから続いていくんだろうと思われます。


「いいじゃないかBEN、おまえなら大丈夫だよ」


そう言って

時に肩を組み、背中を押してくれる大人たちが、
扉を開けて、椅子を用意してくれる大人たちが、


世の中のどんな子のまわりにもいるといいなあと思いながら。


夏は毎年やってくるけれど、
10歳の夏も、11歳の夏も、14歳の夏も
あの一回しかなかったのだ、と思いながら。


今年も夏が終わっていきます。


y.t.






子どものときにお気に入りだった場所、読んでもらってうれしかった本、
楽しかったときに着ていた服や靴のことは、
意外に大人になっても覚えているものですよね。

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